岡山県 津山市観光協会
西東三鬼賞

2010年3月4日..第17回西東三鬼賞の選考が行われ...大賞に、横浜市の安藤辰彦さんの「惑星間会議ひまはり選出す」が選ばれました
全国780人から4172句が寄せられ、現代俳句協議会顧問の和田悟朗さんら3人が選考し、三鬼賞1句、秀逸10句、佳作30句が選句されました

西東三鬼賞委員会の白石哲副委員長は、「これまで歴代の三鬼賞の中で、初めて地球からはみだした句、”惑星間会議”を真夏の季節と合わせたのは非常に新鮮であり、花の代表に地球のヒマワリを選んだという空想も面白い」 と講評した
(津山朝日新聞3/4)

第16回西東三鬼賞は ..こちら

4月2日津山国際ホテルで..第17回西東三鬼賞の表彰式が行われました..

西東三鬼賞
開会の挨拶
西東三鬼賞
表彰式
西東三鬼賞
選者総評
西東三鬼賞
来賓挨拶
西東三鬼賞
大賞受賞者 安藤辰彦さん

表彰式の翌日..4月3日には、衆楽園で開催されます「曲水の宴」にも参加して頂きました.... ..こちら

第17回西東三鬼賞
大 賞
惑星間会議ひまはり選出す 安藤辰彦 神奈川県
秀 逸
空壜の中へも春の波とどく 吉村丈夫 千葉県
たんぽぽや年号変わる度戦争 山田浅夫 兵庫県
決断は省略に似てサングラス 前田清子 東京都
月光写真母だけが写っておらぬ 石川暘子 神奈川県
月光の溜まりし盥はこばねば 矢野孝久 長野県
南極を上にして地図大旦 新居三和 徳島県
サイネリアまひるの母を睡らしむ 石井 冴 大阪府
西東忌浪が平伏して寄する 不破元之 富山県
のどかなり時々目覚め石風車 福島 毅 岡山県
対岸は隣の市民春がすみ 松岡耕作 福岡県
佳 作
あり余る時間のなかの麦の秋 横山冬都 千葉県
天辺に残るざくろの鼓動かな 曽根新五郎 東京都
薄氷羽毛をのせて軋みけり 中村孝哲 東京都
また人に生まれし人の天の川 和田仁良 秋田県
牛小屋の桃子のよだれ青芒 横井博行 神奈川県
SUNKISTの青き印字やレモン切る 佐々木健成 埼玉県
癌に寝てまた我が夫となりにけり 鈴木けいじ 山梨県
うつぶせに寝ればアジアの息吹きかな 大西政司 愛媛県
人生は流れ解散去年今年 由田欣一 神奈川県
俳諧が毟りつづける羽抜け鳥 ほそのみちを 千葉県
白鳥を見つめ或る日の放浪者 河久保喜秋 神奈川県
ひっそりと老人生まれ村の夏 永松東興 埼玉県
筋肉の荒ぶ北海鮭を撲つ 吉村 勇 神奈川県
雪結晶まひるの夢を核におき 花谷 清 京都府
桐一葉三角形に突き当る 高野公一 東京都
白靴や蝶に行く先聞いてから 高村蔦青 岡山県
なきがらの口中に綿冬燈 廣 波青 三重県
シェルターのやうな地下鉄レノンの忌 山中正己 東京都
枯野へと二足歩行のひとりかな 大杉 衛 京都府
炎昼や身体のどこで考へる 山ア加津子 埼玉県
去年今年角の変わらぬコンペイトー 西田唯士 大阪府
神の旅朝のスープに始まれり 右手敦子 岡山県
天使にもうぶ毛あるらむ桃の夜 松下カロ 神奈川県
奔馬性結核とある桜の夜 梶等太郎 東京都
父の日の父に抱く子を渡す父 日比野正治 東京都
マーガレット正論吐いて咲きにけり 澤田睦子 神奈川県
秋の陽や道具尖りしものばかり 渕上信子 東京都
人世とは一次元なり糸を引く 中城俊昭 埼玉県
山ひとつ向こうは神在月という 藤川游子 埼玉県
極月や耳と耳とがすれちがう 古川美恵子 岡山県
選外佳作
眉ひそめ剥く春灯のゆで玉子 山岸 英雄 神奈川県
甚平の中で宇宙を遊泳す 鈴木成夫 埼玉県
東京は直角ばかり夏つばめ 多田武峰 神奈川県
二百十日分校の子ら坂下る 菊池 俊 青森県
冬温暖鳥や獣のおとろえて 安田青彦 北海道
内親王大片蔭を流さるる 柴 勇起男 栃木県
涅槃図に魚族捜してをりにけり 伊藤豊子 愛知県
冬の光芒老もはや直線の如し 水口無果 神奈川県
幾何学の上に佇む寒卵 関根通紀 宮城県
二十三度傾く地軸芒原 山田 天 大阪府
天上に学徒の軍靴ひびく夏 羽廣竹夫 福岡県
八月の遺影鏡の中の顔 曽根新五郎 東京都
葛の花まだ遮断機は上らぬか 寺島ゆうこ 神奈川県
錐形に時も光も立ちて夏 野上 卓 東京都
向こうからわたくしが来る冬の廊下 菊川俊朗 神奈川県
机下は猫の定位置漱石忌 田沼美雄 福岡県
汗をかく我は地球の有機物 芳賀正利 宮城県
校門を出てまっすぐに夏休み 中西雅笙 東京都
A1の扉開けば天の川 高橋恵子 千葉県
しゅるしゅると電車が去りて残る宙 遠藤多満 東京都
月光や影のわたしが鍵あける 田淵勲彦 大阪府
黙考の器にあらず息白し 矢尾米一 奈良県
中也忌や川床見えし椹野川 大賀初太 千葉県
宜候!銀漢を航く宇宙船 木本康雄 大阪府
夏の鯉大きな貌を我へ出す 大久保昇 東京都
やわらかな約束として白鳥来る 平山道子 東京都
胎内の揺らぎの記憶春の海 角南公一 東京都
短日や一番星につきあたる 小川紫翠 埼玉県
沙羅の花小石で敲く葬の釘 加藤敬子 埼玉県
浮いてゐる地球の不思議さくら散る 坂詰國子 東京都
ひとりづつ去りたる国の芒原 小林誠三郎 岡山県
かたつむり人の小さく見えにけり 宮田頼雄 兵庫県
黄落や昭和に佇ちし己が影 河原嘉子 広島県
桃実るからだ二つに折る母に 澤本三乗 香川県
おのが影ふみて黄泉より沖縄忌 福田英子 大分県
夏草や直立不動で唄う歌 岸本千鶴子 大分県
卒業生みな島を出るひかりかな 今村 豊 東京都
修司忌の光合成の下手な葉よ 須藤智香 東京都
俎にあやふやの儘海鼠在る 塩田久生 長崎県
初風呂や娘を経たる児のちんこ 板坂壽一 東京都
船室の施錠のピアノ三鬼の忌 土居ノ内寛子 東京都
長逝の瞬間を見つ流れ星 川浦克彦 群馬県
巨大榠?つくづく金子兜太かな 三浦郁子 神奈川県
西東忌時間の裏を返しみる 田村久美子 兵庫県
天国に近い貧しさよもぎ摘む 鶴岡 満 千葉県
広島を訪ひ卵食ふ三鬼の忌 熊谷壽晃 神奈川県
人買が近づく香水匂はせて 渕上信子 東京都
サナトリウム秋琺瑯の洗面器 保坂百合子 神奈川県
無言といふ対話もありてさくらんぼ 田中信子 埼玉県
冬田打つマグマを目覚めさせぬやう 後藤 ひろ 静岡県
一寸の麦の芽使徒は十二人 山内基成 愛知県
春の山水浸み出でて流れけり 木村澄夫 兵庫県
首よりも手首冷たし広島忌 安藤辰彦 神奈川県
ひとりづつ家族を仕舞ひ月の家 尾上恵子 東京都
袴めく羽たたみたる大蟷螂 橘 永子 大阪府
人の世は常温がよし新酒酌む 中村廉三 神奈川県
雪ばんばついて行きたい人ばかり 古川美恵子 岡山県

〒708-8501 岡山県津山市山北520
津山市経済文化部文化振興課 西東三鬼賞委員会
TEL(0868)32-2122 FAX(0868)32-2154

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