岡山県 津山市観光協会
西東三鬼賞

2009年3月3日..第16回西東三鬼賞の選考が行われました。
全国609人から3606句が寄せられ、現代俳句協議会顧問の和田悟朗さんら3人が選考し、三鬼賞1句、秀逸10句、佳作30句が選句されました。
西東三鬼賞委員会の白石哲副委員長は、「大きく立派な立葵が、ガソリン臭い暑さのなか頑張って咲いている。
昨年は燃料高騰に不安を感じた年であり、時代を切り取り、とき(季・時・刻・期)を大切に詠んだ面で、俳人として原点に立ち戻ったような句といえる」と講評した。(津山朝日新聞3/4)

第15回西東三鬼賞は ..こちら

4月3日津山国際ホテルで..第16回西東三鬼賞の表彰式が行われました..

西東三鬼賞
表彰式開催の挨拶、桑山市長
西東三鬼賞
表彰式
西東三鬼賞
審査員、総評
西東三鬼賞
大賞受賞挨拶 谷川すみれさん
表彰式の翌日..4月4日には、衆楽園で開催されます「曲水の宴」にも参加して頂きました.. ..こちら


第16回西東三鬼賞
大 賞
ガソリンの臭いの中の立葵 谷口 静江
(谷川すみれ)
女、 大阪府
秀 逸
一命にほど遠きもの寒昴 田中 義一 男、 千葉県
鯨が跳ねて海がへこみし沖縄忌 竹村 甲子雄 男、 秋田県
流星やゼロに近付く数へ方 和田 仁良 男、 秋田県
野うさぎが僧に耳打ち春高野 加藤 好子 女、 埼玉県
奔流の端は忘却柳の芽 小林 誠三郎 男、 岡山県
先頭の入れ替わりつつ鳥渡る 中川 清志 男、 奈良県
尿ばかり熱き老年冬銀河 永禮 宣子 女、 岡山県
秋の蚊やラスコリーニコフの脹脛 小谷 正和 男、 愛媛県
永遠は後に伸びて三鬼の忌 田村 久美子 女、 兵庫県
太陽と一対一の日向ぼこ 畑 耕三郎 男、 北海道
佳 作
生国に形而下学の蟻の国 菊池 俊 男、 青森県
四次元の花屋さんよりチューリップ 滝田 芳順 男、 神奈川県
わたくしにわたくしの影広島忌 吉村 丈夫 男、 千葉県
白牡丹闇にもありし光りかな 石川 明 男、 秋田県
涅槃図の温顔のまま巻かれけり 松本 久 男、 宮城県
中年と老年の差や虫の声 中村 恭宗 男、 茨城県
陽炎を抜けて時間の壁を越ゆ 手塚 美喜夫 男、 栃木県
男にも愁ひのありて鰆の斑 澤本 三乗 男、 香川県
咲き満ちて枯れて見らるる薄かな 鈴木 成夫 男、 埼玉県
凩や吾ら戦争遺児育つ 上野 昭子 女、 山口県
星飛んで今が戦前かも知れず 池田 崇 男、 秋田県
居待月母より先に長女老ゆ 関根 通紀 男、 宮城県
海鼠噛む残り少なき昭和の歯 曽根 新五郎 男、 東京都
花野ゆく歩むところを径として 角南 公一 男、 東京都
薪水に母の百年鳥渡る 大西 静城 男、 香川県
ゆく先を銀河と決めて箱に入る 篠原 昭 男、 埼玉県
銀河濃し臘梅思考続けゐる 柄川 治茂 男、 岡山県
人類の後の人体模型かな 矢部 道男 男、 鳥取県
西日射すピアノが鳴っていた場所に 大杉 衛 男、 京都府
火は柱水も柱や十二月 小田島 亮悦 男、 東京都
老人同志厄介がって葛湯吹く 玉木 稔 男、 香川県
あるときは鳥の眼となり大枯野 右手 敦子 女、 岡山県
テレビ局の神棚十月終りけり 瀬川 浩司 男、 東京都
冬の川しづかに冬の水位あり 菊川 俊朗 男、 神奈川県
星が飛ぶ地球も飛んでゐるのかも 大久保 昇 男、 東京都
炎昼の墜とす光りに重さあり 星川 正道 男、 岡山県
月面に呼ぶは水売酸素売 安藤 辰彦 男、 神奈川県
皆ナイテオルゾ貴様のアノラック 竹内 宗一郎 男、 大阪市
冬ざれや自転にさらす白骨都市 杉野 國雄 男、 北海道
春の潮少しづつ寄るわたしたち 福本 マナ 男、 茨城県
選外佳作
鮟鱇のだぶだぶとして吊られけり 山岸 英雄 男、 神奈川県
ラムネ噴く夜も轟音の基地の街 野澤 松生 男、 埼玉県
帯とけば春にまつはる猫となり 鈴木 吉保 男、 愛知県
蟻地獄子供と戦車来て止まる 金指 まさる 男、 神奈川県
流れ星地球の自転逆立てり 笹川 章 男、 山口県
孤高とはかくあるべしと海鼠かな 請関 邦俊 男、 埼玉県
偽善より偽悪を好むサングラス 石藤 浩一 男、 千葉県
日本といふ弓なりの秋の空 大倉 正也 男、 兵庫県
世は傾ぐとも向日葵は真っ直ぐに 丹羽 敬子 女、 東京都
ビル解体し片蔭も解体し 中村 孝哲 男、 東京都
デカンタに薔薇一本の現住所 村上 衛 男、 埼玉県
脳の中無限の思考麦の秋 加P 光雄 男、 千葉県
鉋の刃少しづつ出す冬の音 磯貝 甚吉 男、 埼玉県
無意識を意識してゐる朝寝かな 永野 琢 男、 福岡県
海鼠喰ひ今生はホモルーデンス 石井 雅之 男、 愛知県
満月光浴び致死量には足りず 村 令子 女、 岡山県
人間失格にんじんを良く洗う 鈴木 雅子 女、 埼玉県
パンドラの箱はみ出して花野かな 丸山 功 男、 岡山県
絵の中の女の一生冬帽子 田中 典子 女、 岡山県
さくらさくら夜をのみこむさくらかな 野ア 憲子 女、 香川県
人殺しして昼寝より戻りけり 野田 倶一 男、 茨城県
冬の崖蟻酸のごときもの垂らす 植原 安治 男、 千葉県
バラの名にオブローモフはなかりけり 村瀬 静道 男、 愛知県
ボタン一つ押せば事足る原爆忌 志村 美好 男、 埼玉県
柊や兄に口紅ついていて 中島 健二 男、 愛知県
この月に人の立ちたる汚点かな 田淵 勲彦 男、 大阪府
稲妻や闇夜の山の在りどころ 杉 光昭 男、 静岡県
朧夜の人形館にひしめく目 米倉 久記 男、 東京都
あなたですかまっすぐわたしにくる蛍 池畑 紀美代 女、 神奈川県
鶏頭花倒れるときの音にぶし 広田 善保 男、 兵庫県
黒猫やおのが獣の背を舐める 笠原 タカ子 女、 東京都
玄冬のするめ一枚空にあり 金子 晴彦 男、 愛知県
夏ぶとん小さく畳み居ずなりぬ 石井 久子 女、 大阪府
つつがなく地球傾き冬至来る 宮澤 雅子 女、 東京都
脳といふ無限の曠野鳥渡る 人見 正 男、 埼玉県
夏あかつき少年ひとり球を蹴る 加藤 啓子 女、 埼玉県
水馬は潜れぬ人間は飛べぬ 杉田 奈穂 女、 奈良県
昭和へときちきちばった還りゆく 浅井 英介 男、 愛知県
春夕焼一抜け二抜け三鬼の忌 吉田 弘 男、 神奈川県
揚雲雀空の高さを知らずして 西田 唯士 男、 大阪府
無秩序はもっとも普遍蝌蚪むれる 花谷 清 男、 京都府
身ごもりて髪を切る午後夏木立 山内 英子 女、 鳥取県
鶏と散歩する子をつばめ追う 森 京子 女、 埼玉県
男立つ罪と大根ぶら下げて 橋本 明 男、 福岡県
精神のかぼそき葱を引きにけり 松下 公子 女、 神奈川県
変わらざる空悠々と人の上 中島 裕輔 男、 徳島県
ふらここを下りて地球の人となる 古賀 勇理央 男、 愛知県
〒708-8501 岡山県津山市山北520
津山市経済文化部文化振興課 西東三鬼賞委員会
TEL(0868)32-2122 FAX(0868)32-2154

Top