津山郷土博物館
岡山県 津山市観光協会

津山郷土博物館
佐 野 綱 由

東 海 道、津 山 の 殿 様 お 国 入 り

先日、旧東海道、二川宿(ふたがわしゅく)本陣(愛知県豊橋市)を訪ねた...きれいに復元されている
驚いたことに、本陣に併設された資料館の説明パネルに、津山郷土博物館所蔵の大名行列図が展示されていた
知らずに行ったのである、 豊橋は、旧名「吉田」といい、旧東海道でも指折りの大きな宿場町だった
その吉田の一つ東、江戸に近い方が二川宿で、津山藩主がここに宿泊したか、休憩したか、記録を繰ってみないと分からないが、ここを通ったことはまず間違いない
現在、大名行列図は全国にいくつか残っているが、この津山のものが出色のできばえ(教科書にも載っている)で、津山郷土博物館所蔵の資料では、「江戸一目図」と並んで、頻繁に全国から貸し出し希望が来る、売れっ子スーパースターである
「てんてんてんまり、てんてまり」という歌詞で有名な「まりと殿様」に「きんもんさきばこ、ともぞろえ、おかごのそばには、ひげやっこ、けやりをふりふり、やっこらさのやっこらさ」とある通り、この行列図には、人数等に誇張はあるものの、大名行列の役配がワンセットきちんと描かれている
五万石から十万石に加増された最初のお国入りということで、文政元年(一八一八)、津山藩主、松平斉孝公ご一行は、越前松平家という高い格式にふさわしいいでたちで、東海道の松林の中を、江戸から津山へ、威風堂々行進したに違いない
津山郷土博物館所蔵の本物の大名行列図は、年数回展示しているので、新聞等の案内を見てぜひご覧いただきたい
なお、鶴山公園内の鶴山館に写真パネルが常設してあるが、劣化していて、ほとんど判読できない
また、市庁舎の三階、市長応接室に信楽焼の陶板になった立派なものがあるが、誰でも見られるものではない
愛知県豊橋市の二川宿本陣にはきれいな形で常設展示されている(ここの特別展に津山から本物を貸し出している)のが、津山市民としては何だかこそばゆい

− 佐 野 綱 由 −

旧東海道、二川宿(ふたがわしゅく)本陣

旧東海道「二川宿」(愛知県豊橋市)
旧東海道「二川宿」(愛知県豊橋市)
二川宿本陣上段の間(大名が座った)
二川宿本陣上段の間(大名が座った)

津 山 郷 土 博 物 館

旧東海道「二川宿」(愛知県豊橋市)
津山郷土博物館所蔵の大名行列図@
二川宿本陣上段の間(大名が座った)
津山郷土博物館所蔵の大名行列図A
旧東海道「二川宿」(愛知県豊橋市)
津山郷土博物館所蔵の大名行列図B
二川宿本陣上段の間(大名が座った)
「江戸一目図」......津博No68、No69に掲載